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2007年1月20日(土)京橋区民館

勉強会


 今回の勉強会は、「脳は絵をどのように理解するか」第八章「遠近法と美術の歴史」、「レディー・フォーペインティング」〈誰がセザンヌを必要としているかU〉−ロザリンド・クラウス『ピカソ論』−後半を読みました。

 「脳は絵をどのように理解するか」「遠近法と美術の歴史」では、先史時代、エジプト、ギリシャ、ローマ、ルネッサンス、印象派、現代の遠近法がどの様に用いられたかテーマでした。それらの様式でどの様な遠近法が用いられたかは各時代の必要や価値観などと関係していることが論じられていました。また、その中で特に詳しくレオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』が詳しく論じられました。興味深かったことは、ヤン・ファン・アイクやフィンセント・バァン・ゴッホ、ポール・セッザンヌなどの線遠近法がずれたりゆがめられたりしたものの言及でした。前回のマンティーニャと同様正確な線遠近法からの逸脱がその作品の魅力につながることでした。

 〈誰がセザンヌを必要としているかU〉〉―モダニズムの視覚性―では、ここから―形象性までクラウスのテキストがした時期になっています。時間の関係上あまり進めませんでしたが、ここで言われているグリンバーグの視覚性と客体物としての平面性一致とエルンストの『カルメル修道院に入ろうとしたある少女の夢』のズートロープのイリュージョンの経験とその経験を外側から見るという二重性との違いを次回の勉強会でクラウスのテキストを参照して考えていきたいと思います。

 次回の勉強会は、「脳は絵をどの様に理解するか」第八章「神経ネットワーク―標準的表象、記憶、絵の認知」、〈誰がセザンヌを必要としているかU〉―モダニズムの視覚性―を予定しています。以前配りましたクラウスの『見る衝動(インパルス)/見させるパルス』も併せて読んできてください。

(文:山田宴三)

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