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2004年1月18日(日)京橋区民館

MASC2004年度年間計画について、勉強会


1、MASC2004年度年間計画について

●MASC会計報告
●MASC機関誌発刊についての詳細企画案について。
●MASC主催のグループ展について
●各助成金の取得内容の作製について
●MASC公開講座VOL.2について
●MASC作家支援プロジェクトについて
●MASCワークショップシステムVOL.2について
 1月9日 富士市の湖山病院で開催。午前午後と大好評。参加したお年寄りはのべ50人あまり。マーブリング遊びと紙粘土にタイルを貼り付ける工作を実施。単純でわかりやすい作業だったのでお年寄りも楽しく参加できた。作業の合間に気持ちよく歌を歌う人も・・・。参加メンバー 芝章文、羽賀洋子、山田ちさと、西尾順、新山光隆。


2、勉強会

*遠近法について
(テキスト/大橋紀生さんが編集 描く人、鑑賞する人のための『遠近法と絵画』美術出版社:2800円)
/ピーター・ガラシのテキストは美術手帖の短期集中連載91年10月〜12月号を使用。)

ピーター・ガラシの「写真以前」の1/3を読む。

☆村井氏のまとめ
 アルベルティは絵画を「単眼を頂点とした四角錐」のシステムである、とした。それが15世紀からの遠近法である。(パノフスキー「象徴形式としての遠近法」)。ガラシはそのシステムをもっと簡単にしたのが写真であると言っている。写真は絵画の歴史を攪乱したのではなく絵画(遠近法)の歴史の中から生まれてきたものである。

 遠近法にはそれ以外にもいろいろある。ギリシャの視野を楕円としたもの。5世紀からの中国の水墨画の遠近法、など多数。パラダイムの変化によって認識のシステム=遠近法も変わる。

☆五味氏の問題提起
○遠近法とイリュージョンは分けて話をした方がいい。

☆討論の中で出てきたキーワード
○カメラオブスキュラをのぞくことと写真のプリントを見て描くのは違うことである。 ○単眼視と複眼視との決定的な隔たりがルネサンス以降の画家の大問題だった。→図学と絵画の差
○気持ちの遠近法
○20世紀絵画の浅い遠近・重ねの遠近について。
○キュビズム・・・時間のとりこみ二次元に三次元を描く。
○遠近法はイリュージョンである。実際には2と1/2次元しか描けていないという事実。(デビット・マーの2・1/2次元スケッチ)(真裏は描けない)→ここから表面の問題へとつながっていく(例えばキュビズムのパッサージュ理論)
○画家が10人いれば10通りの遠近法がある。

☆小松崎氏の問題提起
○60年代以降の日本の現代美術界では遠近法は否定すべき悪者だった。70年代末に斜めの線(三角形)をあつかった作品で斜めの線は遠近を感じさせるという理由で 批判された。
○しかし本当に遠近法はそんなに悪者なのか?絵画の可能性はそこにないのか?

☆それにたいして・・・・
○村井氏
 1960年から1980年に掛けて奥行き・再現・遠近感は否定されてきた。80年代以降はシュミレーションの時代になったので、具象的なものはどんどん出てきている。具象そのものがいいとか悪いとかの問題ではなく個々の作家が歴史をどう引き受けようとしているのかが問題。
○芝氏
 遠近法で絵を描くのにもルールがあるように絵を描くことにもルールがある。それらに自覚的であるかどうかが今後の問題である。ルールを知らないで、あるいは学習しないで、絵は描けないだろう。

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