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2003年10月19日(日)新川区民館

公開講座最終確認、勉強会etc


勉強会、他

 過日個展をした山田ちさと氏についてテキストを参照しながらのディスカッション。以下のようないくつかのテーマに沿って意見交換

○MASCの30代半ばから40代半ばにかけての作家(山田ちさと・五味良徳・山田宴三・ちょっと前までの村井俊二)がそれぞれ支持体とその透過性を問題にした作品を作っている。モダニズム、あるいはフォーマリズムを受け止めつつそこから発展した形で作品を作っていくための一つの契機として支持体を問題にする方向が出てきているのではないか。「アメリカ型フォーマリズムよりもむしろフランスのシュポールシュルファスからの刺激とその可能性を試したい。」(山田ち氏)

○日本画科出身者と油科出身者との材料に対する感覚の違いについて。違う部分もあるし重なっている部分もたくさんある。「一番違うのは日本画は絵の具で描くと言うよりも絵の具でコラージュしていくような感覚があること。そのためコラージュできれば材料はどんなものでも交換可能。」(山田宴氏)「支持体についても日本画では和紙を使うためパネルに貼る前に作業がたくさんあって、支持体を意識する機会が大変多い。」(山田ち氏)

○「たらし込み、染み込み、絵の具を流すという行為を含む、パネルを寝かして描く方法から日本型のモダニズムを継いでいく絵画の成立の可能性。」(村井氏)

○トルソー・マッス的なものに対して表面・現象を追っていく方向。日本型絵画の成立の可能性がここにも。(石井氏)

○フォーマリズムの結果として一度死んだ絵画が80年代に復活。「80年代以降の絵画は絵画自体がシュミレーションとしてずれてきているのではないか?」(村井氏)


 森美術館のオープニング情報
六本木ヒルズの52F 53Fにオープンした世界一高い位置の美術館。夜景は抜群。デートにお勧め。オープニング記念展は「ハピネス」。作品、作家の関係性と時代性を徹底的にごちゃまぜにした展示。ハッピーになれるかどうかは見る人によって、微妙だろう。しかし、むむっとくる逸品もかなりの数そのごちゃまぜの中にあるので、それを探し出すおもしろさはある。作品を見る力をかえって試されるのかもしれない。

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